こんにちは、塾長の木原です。

今回は、製造業などで使われる品質管理の概念から、子どもたちの勉強のマネジメントを考えてみましょう。

■勉強時間は多ければ多いほど良いのか? 生産性から考える勉強のポイント
これからの時代、生産性が求められることは言わずもがなです。
生産性とは、インプット量に対するアウトプットの割合を言います。
アウトプットとは、企業で言えば販売数、売上、利益などがあたります。

・ 生産性=アウトプット÷インプット

少子化や働き方改革が背景に、限られた資源を有効活用する視点が求められています。
人口が減少し、人手不足が避けられない上では、
時間を無視して、いつまでも同じやり方を続けることは限界に達します。

すなわち、生産性を考えるとは、いかに限られた時間内で最大限の成果を出すかが重要です。子どもたちの勉強においても同様です。

生産性の概念において、「稼働率」も同様に重要です。
稼働率、つまりどれだけインプットにつながる動きをしたかの指標となりますが、
当然、稼働率を高めれば、その分だけ分母のインプットが増え、生産性が高まります。

では、稼働率は単に高め続ければいいのでしょうか?
ここに重要なポイントがあります。

稼働率を高め続け、一定のしきい値を超えると、「規模の不経済性」という現象が生じてしまうことを忘れてはなりません。

稼働率を上げ続けるには、例えば工場では新しい設備を導入します。
しかし、導入したが思うように製品が売れなかったら、今度は在庫が増え、その分のコストが増加します。(維持費など)

また、とある新人パティシエがいたとします。
当初は、ケーキを作る時間がかかっていましたが、次第に腕が磨かれ、
同じ時間あたりのケーキを作る数が増えることでしょう。

しかし、24時間働きっぱなしでは、集中力も下がり、ミスも増え、効率が悪くなります
つまり、よく言われる「キャパシティオーバー」です。

勉強においても詰め込みすぎでは、記憶の定着が低くなり、最終的なアウトプットである点数に響いてしまいます。

子どもたちのキャパシティにも当然差があることですから、
しっかりと把握をして、最適な「稼働率」を目指しましょう。

■苦手の解消だけでOK? ボトルネックを把握しよう

ビジネスではよく耳にする言葉だと思います。
ボトルネックを解決せよ、ボトルネックが問題だ、と無意識に使っているケースもあると思いますが、改めてその意味を品質管理の観点から考えてみましょう。

全体の処理能力、成果に大きな影響を及ぼす工程や部分を指します。

例えば、サンドイッチを以下の3工程で行うと仮定します。
①パンを切る ⇒ ②具を選ぶ ⇒ ③パンにはさむ

この時、例えば②具を選ぶ に一番時間を要するようでしたら、そこがボトルネックです。
子どもたちで言うと苦手強化 がまさにボトルネックと置き換えられるでしょう。

では、ボトルネックは必ず解消すればいいのでしょうか。
結論から申上げると、”No”です。

ボトルネックは、オペレーションの上位概念である戦略との整合性を考慮し、
戦略上不要であれば、必ずしも解消する必要がないのです。

ビジネスにおいて、例えば必ずしも業界1位をめざない戦略を選択した場合、
余計に人員を増員することは、過剰資産となってしまいます。

子どもたちにおいても、数学がどうしても苦手な子どもに対して、必要以上に時間をかけるより、伸ばせる教科に時間を充てて、確実に理解を深めさせた方が有益です。

それが強みにつながり、勉強のモチベーションにもなるでしょう。

お子さんとコミュニケーションするときも、
テスト前に
「どのくらいの自信か?」
「今回、点が取れないと感じているパートはどこか?」

といったコミュニケーションでボトルネックを把握して、
戦略的なアドバイスをしてあげてください。

2019/06/09