2020年から小学校で英語が必修化となります。
特に、今までの英語教育のように詰め込み式で覚える一辺倒ではなく、「読み書き」含めた4技能すべての発達が求められることでしょう。
教育方針が国を挙げて変わることで、将来、口実ともにグローバル化がますます進むことが予測されます。
グローバル化による多文化・多国籍の環境では、主体性や意見をしっかりと伝え、同時に相手の気持ちを尊重することが求められます。

では、具体的にどうすればよいのでしょうか?
今回は、主張と尊重を両立した方法として注目されている『アサーティブネス』なコミュニケーションを紹介します。

◉アサーティブネスとは

アサーティブネスとは、自他を尊重した自己表現もしくは自己主張のことを言います。
古くは60年以上前から、心理学の分野で研究されています。

研修者の間で、人間のコミュニケーションは3種類に分類できると定義されました。
すなわち、『アグレッシブ』、『ノンアグレッシブ』、『アサーティブネス』の3種類です。それぞれ見ていきましょう。

①アグレッシブ
アグレッシブとは攻撃的という意味で、
相手の気持ちや意見を無視したり、自分の考えを強要したり、攻撃的な表現を使う傾向が強いコミュニケーションを指します。
今はほとんど見られないでしょうが、昔ながらの亭主関白な頑固オヤジや子どもに厳しい母親像などが、そういったタイプでしょう。

②ノンアサーティブ
ノンアサーティブは、逆に自己主張が苦手なタイプであり、周りに流されて合わせたり、いやなことでも引き受けてしまうタイプを指します。
また、本心を抑制しているため、他人のグチを言う傾向が高いです。
日本人では、ノンアサーティブなタイプが大多数ではないでしょうか。

③アサーティブネス
アサーティブネスの特徴として、自分の意見も述べつつ相手の意見を尊重することであり、たとえ、意見が衝突した際も、感情を逆なでせずにお互いの納得できる結論を導くコミュニケーションを行います。

例えば、友達とのLINEで盛り上がって宿題をやらなかったお子さんがいたとするでしょう。
こうした場合、「勉強をやると約束したのに、破られて悲しいな。友達とLINEをやるのも大事だと思うから、グループチャットが盛り上がる20時前に、終わらせておくのはどうかな?」

…といったように、一見相反する行動でも、お互いの納得できるポイントを探るのです。

◉アサーティブネスなコミュニケーションを実践するうえで重要なポイント

続いて、具体的な実践ポイントとして有名な、「DESC法」(デスク法)を紹介します。
それぞれの英単語の頭文字をとっています。

①Describe(事実の描写)
自分の気持ちを述べる前に、事実を述べることです。
まず、何が対立点なのかを客観的にはっきりさせるのです。
〇「昨日の宿題を終えてなかったんだね?」
×「また、宿題を終えてなかったでしょ?(から、アンタはダメだ)」

②Explain(気持ちを説明する)
次に、相手の気持ちを配慮して攻撃的にならないように自分の気持ちを伝えます。
特に相手の気持ちに共感してあげるとより効果的です。
〇「宿題を終えていないから、先生に怒られて嫌な気分じゃない?」

×「宿題を終えていないから、お父さん/お母さんは恥ずかしいよ」

③Specify(要望を提案する)
気持ちをもとに、改善策として具体的な要望を提案として伝えます。
この際に、自分の要望のみにフォーカスしてはいけません。
〇「同じ気持ちにならないように、次は帰ったらすぐにやってみようか?」
×「同じ気持ちにならないように、帰ったらすぐにやってね!」

④Choose(相手の行動を選択)
最後に、相手の「Yes」「No」それぞれのパターンを想定して、行動を示します。
どちらのパターンも想定することがポイントです。
〇「これでできそうかトライしてみよっか、もしダメそうだったら帰ったら一緒にやる時間をつくろう」
×「ちゃんとやるって言ったから約束を守るんだよ!」

学校生活であっても家庭内であっても、自分自身の気持ちや意見をしっかりと伝え、同時に相手の気持ちや意見を尊重することは重要です。

ビジネストレンドでも、部下の自立性や主体性を高めることを重視されている中、
アサーティブなコミュニケーションを子どもの時から「練習」しておくことで、グローバルで多様性のある社会でも、心の安定を保ちながら堂々と生きることができるでしょう。